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ポショワールとは、亜鉛や銅版を切り抜いた型を用いて刷毛やスプレーで彩色する西洋版画の一種です。写真製版によって作家の原画から複製品を作る技術が無かった20世紀初頭に、このポショワール技法が多く用いられました。
この技法はフランス人の版画職人ジャン・ソーデによって確立され、1908年に出版されたポール・ポワレのファッションアルバムによって全盛期を迎えました。その後、ジョルジュ・バルビエやジョルジュ・ルパップ、シャルル・マルタンなど多くの一流イラストレーターがファッション誌やファッションアルバムにポショワールのイラストを次々と発表し、1920年代半ばにその質、量とも頂点となりました。
ポショワールはその鮮やかな色彩と平板で均一な彩色が特徴で、アール・デコ様式を代表する版画様式となりその発展に大きく貢献しました。しかしながら、高度な技術や高いコスト、写真製版の発達により第2次世界大戦後姿を消してしまいました。
技術的には現在はほとんど利用されないポショワールですが、そのデザイン性や色彩は、現代においても全く色あせることなく、我々に新鮮な印象を与えてくれます。そしてこのポショワールに描かれたデザイン画は、日本のファッションデザイナーやイラストレーター、漫画家たちにも大きな影響を与えています。
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